金融商品取引法の目的

金商法の理解には、金商法の目的を知ることが出発点となるようです。また、各金商法の規定は、この目的を達成するために整備されているとも言えるかもしれません。

金商法の目的規定は第1条に規定されており、①目的達成の為の方策、②直接的な目的、③最終的な目的、という順番で構成されています。

第1条(目的)
この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。

  • 目的達成の為のの方策・・・①企業内容の開示の制度を整備する、②金融商品取引業者に関する必要事項を整理する、③金融商品取引所の適切な運営を確保する等
  • 直接的な目的・・・①有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にする、②有価証券の流通を円滑にする、③資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図る
  • 最終的な目的・・・①国民経済の健全な発展に資すること、②投資者の保護に資すること

目的論:
なお、従前の証取法の目的については、諸説あり目的論は証取法の体系論と結びついていたようです。具体的には次の見解が見られましたが、特に「国民経済の適切な運営」と「投資者の保護」との関係をどのように考えるかが論点となっていました。

①投資者保護説(鈴木、河本、伝統的多数説)
投資社保護を図ることを目的とするものであり、国民経済の適切な運営は投資者保護によってその実現が期待される関節の効果にすぎず、株式会社法の特別法であるとする見解。

②二元説(神埼)
国民経済の適切な運営及び投資者保護を図ることを目的とするものであり、ここの経済主体感の利益調整を図る規律(株式会社法の特別法の部分)と証券取引に関する産業警察的な取締を目的とする規律(業法の部分)からなるとする説

③市場法説(上村)
公正な価格形成の確保を通じた証券市場機能の確保を図ることが目的であり、会社法の特別法ではなく、市場関係法規の一翼を占める経済法規であるとする見解。

④効率的市場機能説(黒沼)
効率的な資源配分という市場機能の維持が目的であり、市場機能の維持を通じて同時に国民経済の適切な運営も投資者保護も確保されるものであるとする見解。

⑤新二元説(神田、松尾)
投資者保護を図ること及び証券市場(資本市場)の健全性確保とその発展促進が目的であるとする見解。/その意味で、金商法は、金融商品取引が行われる資本市場に関する基本法として位置づけられるものであり、市場関係法規の一翼を占める経済法規であるといえる(市場法説と同旨)(松尾)

従前の証取法と比較して、直接的な目的として、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図る、という目的が加わったことから、金商法改正は市場関係法規としての役割を担っていることを明確にする改正と言われています。

もっとも、ここで重要な事はどの説が妥当かということではなく、そこで論じられている「投資家保護」「国民経済の適切な運営」「資本市場の健全性」とは何かを理解することであります。具体的にはそれぞれの目的が金商法の体系として何処に何故現れてくるかを理解することかと思います。

次回はこの点を説明したいと思います。

(参考文献)
松尾直彦「金融商品取引法」(第三版)
黒沼悦郎「金融商品取引法入門」(第2版)
長島大野常松「アドバンス」金融商品取引法」(第2版)

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