成年後見を開始するにはまず審判の申立が必要です。中でも増加傾向にある市町村長(首長)申立とは?!

成年後見を開始するにはまず審判の申立が必要です。中でも増加傾向にある市町村長(首長)申立とは?!

1 成年後見開始の審判申立が出来る人

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に対し後見開始等の「審判の申立」を行うことが必要です。この申立を行うことが出来る者は、本人・配偶者・四親等内の親族・未成年後見人・未成年後見監督人・保佐人・保佐監督人・補助人・補助監督人・検察官とされています(民法7条等参照)。これらの申立権者に加え、市町村長も申立ができます。

老人福祉法32条(審判の請求)市町村長は、六十五歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第七条 、第十一条、第十三条第二項、第十五条第一項、第十七条第一項、第八百七十六条の四第一項又は第八百七十六条の九第一項に規定する審判の請求をすることができる。

老人福祉法32条は65歳以上の者を対象としているように読めますが、65歳未満の者に対しても範囲は及びます。同法5条の4でカバーされます。

老人福祉法5条の4(福祉の措置の実施者)六十五歳以上の者(六十五歳未満の者であつて特に必要があると認められるものを含む。以下同じ。)又はその者を現に養護する者(以下「養護者」という。)に対する第十条の四及び第十一条の規定による福祉の措置は、その六十五歳以上の者が居住地を有するときは、その居住地の市町村が、居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その現在地の市町村が行うものとする。ただし、同条第一項第一号若しくは第二号又は生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項 ただし書の規定により入所している六十五歳以上の者については、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有した者であるときは、その居住地の市町村が、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでなかつた者であるときは、入所前におけるその六十五歳以上の者の所在地の市町村が行うものとする。

なお、老人福祉法の他にも、知的障害者福祉法28条、精神保健及び精神障害者福祉に関す法律51条の11の2にも同様の規定があります。

2 市町村長が申立権者に加えられた趣旨

判断能力が不十分な認知症高齢者等のうち、身寄りが無い場合など親族等による法定後見開始の審判の請求が期待できない状況にある者については、当事者による審判請求がいつまでたっても行われないことになる。
これでは本人の財産は消費者被害にあうかもしれないし、必要な介護サービスも受けることが出来ない(契約行為能力が無いため)、徘徊などによる事故にあう恐れも十分に考えられる、こういった状況を回避する為に、成年後見制度を利用できるように首長を申立権者に追加したのです。

3 首長申立の件数

全申立件数の15%まで伸びて来ています。全体の申立件数自体が認知症患者の数に比べて低いので、まだまだ満足できる数字ではないと思いますが、増加速度は相当程度あるように思われます。

4 対象者をどう把握するのか?

地域包括支援センター、介護事業者、民生委員、近所の住民市民、地域福祉権利擁護事業者等からの情報が主となります。これらの方からの情報は、市町村の高齢福祉課や高齢福祉課と密接な関係にある社会福祉協議会の成年後見センター等に集約されます。そこで、市町村において、親族が本当にいないのか、居たとしても連絡がとれないか、親族申立の案内をする等の手続きをした後、それでも申立が出来ない場合に首長申立を行うことになります。

5 誰が成年後見人になるの?

申立権者が親族等の当事者である場合は、成年後見人の候補者を立てるのが通常ですが、首長申立の場合はどうなるのでしょう?
この場合は、社会福祉協議会が引き受けたり、事案によっては専門職の方に御願いしたり、NPO法人に依頼したりしています。引き受け手としての市民後見人の養成が重要となりますね。

以上です。

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