地域包括支援センター馬込を取材させて頂きました!

地域包括支援センター馬込を取材させて頂きました!
センター長の津田さんが丁寧に回答してくださいました!以下取材メモです。
 

 取材の目的

介護保険制度において位置づけられ、地域福祉を展開するうえで核となって機能することが期待されている地域包括支援センターを訪問し、権利擁護の業務の実際のところを取材することで、権利擁護とりわけ日常生活自立支援事業(旧地域福祉権利擁護事業、社会福祉法)及び成年後見制度(民法)の利用の現場の状況を把握し、今後我々市民に求められる活動は何かを探る端緒としたい。

 取材内容

    大田区地域包括支援センターの位置付け
  大田区内の20の地域包括支援センターは全て区から医療法人等に委託されている。なお品川区は区で地域包括支援センターを運営しているセンターもある。
  従って、大田区地域包括支援センター馬込の職員は全員が医療法人の職員である。常勤6名のところ、現在欠員1.5人生じている。
  地域包括ケアの基本3職種からみると、主任ケアマネ:介護支援専門員の資格保有者が5人で主任2名、社会福祉士:3人(1.5名欠員中)、保健師看護師:保健師1名の人員構成である。更に大田区では見守りコーディネーターの設置が義務づけられており、●名のコーディネーターがいます。合計人数が6名を超えるのは、一人で複数の資格を保有している人がいるため。
  地域包括支援センターの運営費は全て大田区が負担している。そのため介護保険報酬は大田区に返還する仕組みとなっている。
    地域包括支援センターの業務
  要支援の方のケアプラン作成が、業務の中で大半を占める。
  業務を行う上で馬込地区特有の事情は次の通り。すなわち、地理的特徴として山・坂多く、ほぼ住宅地。敢えて言えば「山の手」風である。このことは高齢者の外出を阻む要因になる。商業地域がないので地域交流も少ない。また、気質的にもあけっぴろげではなく、「介護サービス受けていることを知られたくない」という人もいる。更に、生活保護受給者の割合も少ない印象があり、比較的経済力のある高齢者が多い土地柄かもしれない。
  近時問題となっている空家等の問題はあがっていない。
  馬込地区は高齢者(65歳以上)の人数は多い。エリアが広いためで割合が多い訳ではない。馬込地区で1万人強。
  成年後見制度に関する業務の割合は全体の10%くらいという印象。もっとも割合は少ないが、後見業務に絡んだものは、相当程度の資産家で其の親族間で争いが事案や、虐待が絡む事案のため非常に重い重要な案件が多い。
  成年後見制度については職員全員理解している。区の研修等も定期的に受講している
  成年後見制度については、その必要性を日々感じている。対応としては、司法書士会のリーガルサポート、社会福祉士会のパートナー東京等を紹介し、相談者と一緒に申立依頼まで進めている。場合によっては、後見人候補者が不在のまま本人申請をサポートすることもある。
  要支援のケアプランの作成が業務の大半を占めるとなると、任意後見の話もたまにある。お一人様の場合や、資産家で相続争い回避の為に相談されるケースもある。
  成年後見制度の周知については、相当程度周知されている印象をもっている。以前は当センターから成年後見制度の紹介及び提案をしていたが、最近は相談者が成年後見制度の存在を知って相談に来られるケースも多い。銀行からの促されて相談に来られる方の割合が多い。
    地域ケア会議について
  大田区は出足が遅かった。平成26年4月から準備開始し、大田区の4庁舎エリアから始めている。8月にモデル会議がそれぞれ終了したところで、来年3月までに20の全地域包括支援センターで行う予定。主管は大田区福祉部高齢福祉課となる。
  当該会議は必須の会議であり、厚労省が所管する。大田区と厚労省の関係は、縦割りで、厚労省→東京都→区の序列となる[1]
  特定の者について関係者全員で解決するモデルであるが、そこから地域の課題を発見し政策に結びつけていくための会議でもある。
  3段階の構成となっており、①個別事例を通じた会議、②社会資源有効活用のための情報収集の場、③政策に結びつけるための会議。
  成年後見制度も会議の守備範囲である。
    今後の課題について
  社会福祉協議会が行っている地域福祉権利擁護事業(現日常生活自立支援事業)が進んでいない印象をもつ。当センターから当該サービスの相談をしても、「其のケースは補助・保佐」が相当ではないか、あるいは「其のケースは当該サービスを受けるほどの症状ではないのでは?」と言われてしまう。
  コーディネート役、責任者がいない。話が大きくなると地域福祉課がイニシアティブ取ることが多い。コーディネーターとしては地域福祉課が適任であり調整能力・実績もある。
  大田区は福祉の専門職を採用・配置していない点も問題。
  馬込地区は大田区の他の地区(蒲田等)に比べボランティアの数が少ない。介護保険でまかなえない掃除等を御願いしても断られてしまう。
  今後市民後見人として活躍する場を求めるのであれば、大田区社会福祉士会がよいかもしれない。社会福祉士会には権利擁護グループやケアマネグループ等あるため。
  また、成年後見人を共同で受任するケースも考えられる。例えば、財産管理は弁護士が、身上監護は市民後見人が担当するということも考えられる。実際に、市民後見人ではないが、財産管理と身上監護とを別人の候補者として申立支援することもある。

[1] なお、介護保険に関する事務及び地域包括支援センターに関する事務は、自治事務の一つであり、介護保険法と大田区地域包括支援センター設置要項に基づき設置・運営される。厚労省と地方自治体の関係は自治事務の関係にあるといえる。
 
以上です。
 
 

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