成年後見人の申立をする理由とは?

成年後見人の申立をする理由とは?
実際に成年後見の申立はどのような理由、状況で行われているのでしょうか?
成年後見人の仕事は、財産管理に関する事務と療養看護に関する事務(施設入所の契約行為等)がメインとなります(成年後見制度が整備された理由 をご参照ください)。
そこから考えると、①財産管理が自分では出来ず困っている、あるいは②介護サービスを受けられずに困っている、という状況に陥ったときに成年後見の申立をするということになりそうです。実際はどうなのでしょうか?
実際は、上記のような状況に高齢者がおかれたときは、普通は配偶者やその子供が面倒をみてます。そのときに、いちいちそれらの親族が成年後見の申立などしておりません。それで社会は回っているので、社会的コスト面からそれで良いと思います。
ただ、法的インフラとしては整えているので、もし其の親族が本人の利益を害しているような行為をしているのであれば、其のときは成年後見制度という法的インフラを使用するべきだと思います。
この場合の問題は、本人が判断能力を欠く状況では、本人の利益が害されているという訴えができない、社会もなかなか気づかない、というところにあります。
また、親族がいたとしても、成年後見を立てなければならない顕著なケースが2つあります。
一つは、定期預金等の解約です。銀行はこの場合本人でないと解約に応じてくれません。窓口では「成年後見制度を利用してください。」と案内しているようです。実際、社会福祉協議会等も銀行に制度の説明等をし、親族の方にご案内してくださいと説明しているようです。

二つ目は、重要な財産の処分行為です。例えば高齢者の方が介護施設に入居する場合に、一時金がかなりかかる場合があります。そのとき所有資産である土地建物等の不動産を処分し換価することがございます。其の場合の「不動産売買契約」はさすがに本人でないとできません。其の本人が認知症ということになると代理権付与もできず成年後見制度を利用し代理権を付与させるかたちになります。
他方、親族がいない単身者の場合は、上記①②の状況下で成年後見の申立が行われています。この申立は本人が行うことも出来ますが(民法7条)、単身者で認知症発症者の場合は本人が申立を出来ないでしょうから、地方公共団体の首長が申立を行うことが出来ます(老人福祉法32条1項)。そのようなケースも最近ようやく増えて来ております。
(参考)

以上です。

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