夜間の目視外飛行、必要な時だってあります。
夜間の目視外飛行は、運用上、飛行許可はおりません。
理由は危険だからです。
ところで目視外飛行が認められるための機体の要件はこうです。
・自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。
・地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること(不具合発生時に不時着した場合を含む。)。
・電波断絶等の不具合発生時に危機回避機能(自動帰還機能、電波が復帰するまで空中で位置を維持する機能等のフェールセーフ機能)が正常に作動すること。
夜間だと、「機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。」というところで引っかかりますね。見えませんからね真っ暗で。
自分が操縦していることを想像してみてください。機体が見えない中、モニターにも何も写っていないそんな中どうやって操縦するのでしょうか。怖いですね。
でも、でも、自動操縦だったら?というか自動操縦しかできないですね、夜間の目視外飛行は。
自動操縦なのですから、あらかじめ、安全なコースを設定してタップするだけで飛んで行って帰還してくれる。これなら大丈夫そうです。
では何故、自動操縦なのに、カメラの映像で機体の外の様子を監視することが求められるのでしょう?
他の機体が接近している!、あるはずのない建物があった!、ドクターヘリが近づいてきた!、鳥が飛んでくるー!、そんな自体が起きてやいないか、関しする必要があるためです。あればもちろん自動操縦を解除するなり、一時停止するなりします。
夜間はこれができない。だからダメということになりそうです。
では、一切ダメなんですかね???
危険性が低い場所やシーンで、かつ、飛ばす必要がある場面だったらどうですか?
例えば、飛行エリアの空域を管制等によりある程度安全を確保し、かつ地上にも第三者が存在しないような災害の場面だったら?
危険性を軽減しつつ、かつ、飛ばす必要性が高い場面です。
そのような場面では、夜間の目視外飛行は認められるべきです(私見です)。
実際、昨年夏の福岡県の豪雨による災害時には、夜間に自動操縦(目視外飛行)により何キロというエリアの災害の様子を赤外線カメラ等で撮影したという実績があるそうです。
人が遭難している場面だったら?自分の子供が山で遭難した場面を考えてみてください。
夜間は人は捜索活動できないことが多いです。
代わりに無人航空機が捜索してくれたら?藁をもすがる思いで飛ばしてくれと思いますね。
来月北海道で、JAPAN INOVATION CHALLENGE 2018 が開催されます。
まさに、山奥で人が遭難したという設定で、ドローンで探し、レスキューキットを届ける、ミッションを遂行する競技です。
夜間に行います。目視外飛行です。
管制は空域を調整してくれます。空の人たちは本当に譲り合いの精神が熟成されている。
あとは東京航空局、国土交通省の判断です。
昨年、福岡県の朝倉で夜間の目視外飛行を認めた国土交通省なら今回も認めてくれるでしょう。
とても意義のあるチャレンジじゃないですか。
安全確保の体制をしっかり確認し、夜間の目視外飛行許可・承認しましょう。
よろしくお願いします。
追記:機体に暗視カメラを装着し機体の外の様子を監視する、補助者がナイトスコープで機体の外の様子を常に監視する、などの対応でカバーもできそうです。
このコンテストは、マネキンを発見するので、多くの参加者は暗視カメラを装着してそうですね。
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